2017年03月22日

親に会うことを思うと解離する

今日(昨日)、母親に会ってきた。
必要な書類にサインをしてもらうために。

丸一年ぶりだった。

1週間ほど前、書類に親のサインが必要だと知った時、ほんのすこし気が遠くなる思いがして、その思いを追いやった。
考えたくないので、考えるのを休むことにした。こういうとき休むのは、とても大事だ。
いやだ⋯いやだ⋯という思いを背中の奥に押しやって、ぼんやりと解離しながら生きてきた。

だが、『この世界の片隅に』を劇場で観て、私と親は別々の存在であることに気づいた。
なんでかはめんどくさいので気が向いたら説明する。
親たちは、「他人」だった。そのことを、ようやく身体の中心にストンと降ろせた気がする。
今まで、私は、親が他人だと気づいていなかったんだ。

そのお蔭で、母と会う覚悟ができた。「できるな」と思った。

そして、会ってきた。
でも、朝からすうっと気が遠くなっていた。視界が、画面を観ているような感じ。私というモビルスーツに乗り込んでいる感じ。

私は、親と会うことを想像するだけで、こんなに気が遠くなるのか。あの地獄の家に向かっていると、見慣れた、一年ぶりの景色が、だがどこか異世界に見えた。

こんなにも気が遠くなる自分にこころのなかで笑いながら、「だいじょうぶ。サインをさせたら、すぐに出よう。帰ろう。」とわたしに語りかけていた。
わたし達がいるから、心強い。わたしは、わたし達と好い関係を築きあげつつあることを感じて、嬉しくなった。でもまだまだ、これからなんだろう。まだまだ、眠らされて、押し潰されて、抑圧されているわたし達がいる。そのわたし達と向き合っていくのは、これからの課題だ。

久しぶりに入った家はずいぶん狭く感じられた。ここにいた時は、「それなりに寛げる、いい家じゃないか」と思っていたのに。

母は、窺うような、及び腰の、少しびくびくしているような態度だった。

実は、とんでもなく無神経な、あいも変わらず懲りず全く変化ない態度を取られるかと思って、そうだったらどうしようと思って、物凄く心細い気持ちでいたのだ。

でも、一目見て、「ああ、びくついているな」と思った。

悲しいけど、僅かに安堵した。

この一年、事務的な内容のメール以外は一切無視し続けてきた甲斐があった。
電話は一切出なかった。声を聞きたくないからだ。

父は気持ち悪いメールを送ってきたので受信拒否・着信拒否した。
すると用件をPCメールにも送ってきたので拒否フィルタに加えた。ゴミ箱を恐る恐る見ることがあるが、もう来ていないようだ。希望。

私も母もお互い探り探りの態度でぎこちない会話をした。書類にサインをしてもらって、家族の僅かな近況を聞き、こちらの情況を簡潔に伝えると、幾らかの本をもと自分がいた部屋から持ち出し、若干の手土産を受け取って、立ったまま湯呑みの茶を7割ほど飲み、流しに置いて、「では」と辞して家を出た。

上出来だった。空は雨模様で、灰色、ねずみ色だった。青空でなくてよかったと思った。私の心にそぐわない色をされていたら、嫌だ。

道中、ほっとしたような、悲しいような、何かをぐっと我慢している感じの胸で、景色をぼんやりと見ながら電車に乗って、私の家に帰った。泣きそうだった。実際ふた粒ほど涙が流れた。最近は、通行人に涙を見られてもいいやとある程度思えるようになってきた。いいことだ。

回転寿司に寄って、美味しく食べられた。でも、どこか解離している。胸の奥の筋肉がギチギチ固まっている感じ。
泣きそうで、泣かないように、一生懸命抑え込んでいるのだ。意識してはいないつもりだけど、全身が、全力を使って押さえ込んでいる。
それだけ、わたしには、重労働だったのだろう。
他人事みたいに書いている。まだ解離している証拠である。
早く感じるこころが戻ってきてほしい。
いまは、感じないことよりも、痛くても感じることの方が、わたしには、嬉しいことだ。
感じていいんだよ。
もううちに戻ってきたんだ。いっぱい、感じていいんだよ。こう書いていたら、胸の奥が緩んで、涙が出てきた。少し、解放された感覚。
やっぱり、こうして、書くことは、わたし達を解放することなんだ。
わたしがわたし達に書いて、同時にわたし達が読んでくれている。

もっといっぱい書こう。胸の底から、いっぱい感じていいんだよ。
感じていいよ。だいじょうぶ。

もう、ここにはお母さんはいないよ。

よかったあ

よかった

ほんとうに、よかった

お母さんは、いないよ。だいじょうぶ。怖かったねえ。

ほんとうに、こわかったねえ。
こわかった。
こわかった。

ほんと、こわかったよ、わたし

わたしは、ほんとうに、こわかった。


こわかった⋯

posted by ひろみ at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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